エアコン清掃。分解容易でも洗浄にはご用心。

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多くのメーカーさんから多種多様な機種が販売されているエアコン。その中には「このメーカーさんはクリーニングし易い。このメーカーさんのは難易度高いですねぇ」というのが往々にしてあり、日々掃除屋さん達を悩ませたり、「腕が鳴るねぇ」とワクワクさせてくれたりするわけなのですが、そんな中でも高難度と言われているのが日立『白くまくんシリーズ』のエアコンです。

特にプレミアムモデルとされるXシリーズ関係は配線や構成部材の複雑さも相まって分解するにも手間がかかり、なかなかの強敵。汚れが酷い際には相応の時間がかかってしまう機種となっています。

また、そうしたイメージが強くあるためか、私も日立さんのエアコンをクリーニングする際には相応に構えて伺ったりするのですが、昨今「日立 お掃除機能付きエアコンの中にも分解簡単なものが出てきたぞ」との噂を聞き、そして本日初めてその機種と顔合わせとなりましたため、ブログに書いてみました😀

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今回初めて対峙しましたエアコンは『RAS-V25H』というエアコン。フィルター自動お掃除機能付きエアコンで、お掃除ロボがフィルターから除去した埃はダストボックスへと収納されるタイプのもの。なお言わずもがなですが、ダストボックスに収納された埃は使用者ご自身で処理をしなければなりませんので忘れずに定期的なメンテナンスを行ってください。埃が溜まったままの状態で運転を行うとエアコン内部に埃がどんどん溢れていってしまいますので😅

エアコン左部分、黄色の部品が埃を溜め込むダストボックスです。半年に1回を目安にご確認を。

エアコンの製造年は2018年。設置使用から5年経過となりますが、これまで掃除屋さんの手による内部洗浄など特別なお掃除はされてこなかったとのこと。分解を進め、送風ファンを確認してみれば、汚れはご覧の通り。

モコモコとしたカビ汚れが送風ファンや吹き出し口に付いてしまっています。

日立さんは風の通り道部分にステンレスを採用することで各部の除菌や防汚効果を高める工夫をされていますが、それでもカビの繁殖力&生命力はやはり強し。まんべんなく付着してしまっています。

なお、こうしたクリーン維持の工夫もエアコンから排出される空気を除菌してくれるというわけではありませんので、汚れ除去等のお掃除はやはり必要になってきます。

空気の出口付近がこの状態であれば、入口付近(=熱交換器やフィルター周り)のカビ汚れも想像には難くないのではと思います。と言いますか、すみません💦 他箇所の写真を撮り忘れました😂

エアコンに関するブログを書く度にお話ししていますが、エアコン(室内機)は冷房/除湿機能を使用していれば、内部の送風ファンや熱交換器、ドレンパン(熱交換器からの結露水を受け止める受け皿)にほぼ必ずカビ汚れ等が発生してしまう電化製品です(こちらのページでも解説しています)。ぜひ定期的なメンテナンスを行い、快適な形での使用をして頂きたいなと思います。

ということで掃除後の写真も。

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ちなみにこの機種、先述の通り、お掃除ロボの分解等が大変簡単なものとなっており、内部洗浄できる形にするまでの難易度はまったく高くないのですが、分解を進めていたところ、「…ん? ん???」となる状況に遭遇。それがこちら↓↓

矢印の箇所なのですが、送風ファン用のモーター線とは別のリード線が横側からひょこっと出ており、それがドレンパン(熱交換器からの結露水を受け止める受け皿)付近から伸びているのです。このような形で出てくるこの種のリード線をあまり見たことがなかったので

どこからのリード線ですか??🤔

と思い、よくよく確認してみたところ、恐怖😨😨😨

なんと!? ドレンパンの上側に左右ルーバー(風向板)用モーターが付いており、そこから伸びていたリード線だったのです。多くの場合、左右ルーバー用モーターはドレンパンの最横端だったり下側だったりに付いているのですが、この位置に付いていると非常に大きな問題が…。

洗浄の際、水没してモーター故障しますよね、これ…😨

なんです(・∀・;)

一般的なエアコンクリーニングの場合、ドレンパンまでは外さずに内部(熱交換器や送風ファン)を洗う場合がまだまだ多いのですが(弊店のメニューで言うと『ライトプラン』に相当)、その施工内容(かつここにモーターがあることを知らなかった場合)でこの機種を洗浄した場合、上部からの洗浄水飛沫や水の伝わり方によってはおそらくかなりの確率でモーターが浸水してしまい、運転トラブルが引き起こされてしまうのではないかと。。

今回は元請様のいるお客様で、ドレンパンまでは外さない形でのエアコンクリーニングを承っていたのですが、これは明らかに危ないと思い、お客様にもご説明の上、ドレンパンを外して洗浄をさせて頂きました。ちなみに同じ掃除屋さん達は外したドレンパンをご覧頂ければ、その恐怖がより手に取るように分かるのではないかと😂😂

熱交換器のほぼほぼ直下にモーターが位置しています。ドレンパンを付けたままの洗浄で、熱交換器の際まできちんと綺麗にしようと頑張ったら、おそらくトラブルという名の恐怖の大王がやってきます(°ロ°;)
上からの浸水予防としてフィラメントテープでそれとなく防水加工もされているのですが、モーターが浸る程度の水が押し寄せれば、それだけでアウトですね( ˙▿˙ ; )

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分解容易ではありましたが、その安堵を一気に転覆しかねないトラップが仕掛けられていたようにも思えた今回の機種。どんな時も油断してはなりませんね。。今回は気が付くことが出来て & またひとつ勉強になって、本当に運が良かったです(ˊ▽ˋ*)

ということで、お掃除機能付きエアコンのお掃除、本日も完了です。ありがとうございました!

「!!??」な場面も運の良さで何とかクリア🤣し、日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。お掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。

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※個人が特定出来ないことを考慮した上で、お話を紹介させて頂くことをお客様よりご了承頂いております。

背抜き完全分解洗浄をして初めて解るエアコン汚れ。

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エアコン(室内機)は冷房/除湿機能を使用していれば、ほぼ必ず内部(送風ファン、熱交換器やドレンパン)にカビ汚れ等が発生してしまう電化製品です(こちらのページでも解説しています)。

そのため、認知症の発病要因ともなるカビ(黒カビ毒)やハウスダストのまき散らしに関わってくるエアコン汚れはぜひ定期的なメンテナンスを行い、常に快適な形での使用をして頂きたいなと思います。もちろん、そのためにはお掃除を提供する私たち掃除屋さんもそれについての勉強が日々必須なわけで。

ということで本日は掃除屋さんの研修の記録。日々の業務でも協力し合ったりしている同業者さんと共に弊店の青空研修所(ただの外とも言う😂)にてエアコンクリーニングの勉強をした際のお話です。

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今回は熱交換器だけを壁に残す形のクリーニング方法『背抜き完全分解』までを体験。

使用エアコンは三菱さんの通常エアコン。

といっても、三菱さんの背抜き完全分解は難しいため、こんな簡易的な設置状況での体験はあまり実践的な経験値にはなり得ないのかもしれませんが😅

それでも同じ仕事をしている人と「あーでもない、こーでもない」と言いながら、見て、触って、シミュレーションをするのは新しい発見があったりもし、何かと面白いです。

さてさて、本題。タイトルにもありますが、エアコンにはより分解を進めていかなければ決して見ることが出来ない&取ることが出来ない汚れがあります。ということで、『背抜き完全分解』での分解を進めていくと、下記のご覧の通りに。

『背抜き完全分解』では熱交換器と呼ばれるアルミフィン部以外のものは取り外された状態になります。
『背抜き完全分解』を行うと熱交換器を含めた各部品が露わになるため、細かくお掃除出来るメリットがあります。

すると、各部に細かい手入れをしていくことが出来るようになったからこそ見えてくる汚れがあります。それが送風ファンの裏側にあるカビ汚れだったり、ケーシングと呼ばれるエアコン筐体の細かい部分や裏側などについたカビ汚れです。

これは送風ファンを外さなければ目視することが出来ない箇所の汚れ。ただ、この部分は『背抜き完全分解』でなくとも相応に綺麗にすることが出来ます😀
こちらはエアコンの最背中部分で、赤丸で囲んだ箇所は室内壁とエアコン筐体背面部分についたカビ汚れです。室内環境によってはこうした所までカビが繁殖している場合もあります。

汚れが特に酷いエアコンの場合には上述部分まで確認したり、お掃除したりしなければカビ臭等が取れなかったりすることもあるため、私たち掃除屋さんもそんなことを意識して各種の分解清掃プランを用意したり、ご説明をさせて頂いたりしています。

そして、これは掃除をお願いする側(お客様)にもぜひ知っておいて頂きたいポイント。

 

エアコンクリーニングは頼めば100%綺麗になる。

というお掃除ではありません。

 

前述までの通り、また弊店のエアコンクリーニングメニューページ内にも記載をしていますが、エアコンはどこまで分解するかによって汚れの落とせる範囲が異なってきます。それらをきちんと理解した上でお使いのエアコンの汚れ具合や製造年、予算などを私たち掃除屋さんと共に考慮し、エアコンクリーニングをご検討頂くことがコストパフォーマンスも含めたより良いエアコンクリーニングを実現するポイントではないかなと思います。

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ちなみに弊店では『背抜き完全分解』を常にご利用頂ける定番メニューには入れておりません。経験的なものではありますが、大きな理由としては2つ。

  1. 信州は夏場のエアコン使用期間が比較的短いため、汚れの堆積スピードがそこまで早くない。
  2. 住まいの品を長く丁寧にお使いになられる方が多く、汚れや臭いが酷く気になるようになった頃には(使用すれば2-3年でも実際は汚れているのですが😅)、お使いのエアコンが10年以上経過していることも珍しくない。

ためです。

経年劣化が進んでいるエアコンの場合、分解深度の高いクリーニング方法ですとそれだけ部品破損等のリスクも高まります。10年以上経過のエアコンは万一の際の修理保証が出来ないため(こちらのページでも解説しています)、『背抜き完全分解』を進んでご提案したりはしていない次第です。現在ご用意しているメニューでも気持ち良くお使い頂ける形には出来るため、『背抜き完全分解』は選択肢の一つとしてご用意している感じですね😊

何はともあれ、エアコンクリーニングも様々な方法があって、多様性時代に入ってきたなぁと感じる今日この頃。何が正解かはお客様の数だけあるのでしょうが、少しでも「掃除して良かった!」の声を発して頂けるよう今日も今日とて日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。お掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。

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