エアコンクリーニング。分解の大切さと、時に出来ないもどかしさと。

⇒エアコンクリーニングのページはこちら

エアコンクリーニングにお伺いした際、しばしばぶつかるサービス上の壁があります。それは『作業内容と価格のつり合いが取れないまま、サービスに臨まざるを得なくなってしまう』という壁。いくつかの条件が重なってしまった時に起こってしまうことなのですが、具体例を挙げると

の時で、かつ対象のエアコンが

のものであった時。メーカーさんで言うと富士通さんや東芝さんが多く該当するのですが、今回は富士通さんでした。

今回クリーニングのエアコンは富士通製お掃除機能付きエアコンでした。

──洗浄は部品を養生するよりも分解する(=外す)方が安心

エアコンクリーニング時、簡易分解と呼ばれる分解形態の場合は電装部品をはじめとした多くの部品を機体に残したままエアコン清掃を行っていくことになります。そしてもちろん、掃除にあたって使用する洗剤や大量のすすぎ水は液体です。

まとめて簡単に言うならば、『簡易分解でのエアコンクリーニングは、水がどこをどう伝って、どこへ侵入し、どこから流れ出てくるのか分からない不安を抱えたままエアコンを洗う』ということに他なりません。それゆえに『簡易分解洗浄での汚れ落としは7割程度が限界』とも言われるわけです。水濡れ起因によるトラブルが怖くて、あまり細かくは洗えませんから😰

ちなみに今回の機種の場合はモーターが吹き出し口の真下に位置しており、保護養生が甘いとモーターは確実に水没します。つまり故障します😭

というかこの形状の場合、しっかり養生をしても確実に水が入るんですよね…。そのため、この部分が機体に残ったままでは汚れを落とすどころか、洗うことすらままならないという…。

一方で今回の作業、私が直接ご依頼を頂いたわけではないため、分解度合の変更(=お会計額にも影響)を私の判断でおいそれとお客様と行うわけにもいきません。

エアコンを前にし、結構悩みました。

あちらを立てればこちらが立たず。こちらを立てればあちらが立たず。

結局、臆病な自分が取った作戦はモーターが付いている部分(ドレンパン&送風ファン)も外して洗浄すること。『お客様のエアコンを無事にお掃除すること』を最優先とし、簡易分解以上の分解洗浄を行いました。作業時間も元請けさんがお客様に事前にお伝えくださっていた以上の時間がかかってしまいました💦

部品の故障を未然に防ぐため、お掃除ロボ、ドレンパン、送風ファン、全てを外して洗うことを選択しました。

いや、何よりこの作業、本当は価格を上げないままでやってはいけなかったとも反省しています😰 技術の安売りともなってしまうため、同じように頑張っている掃除屋さんにもこれは失礼極まりない行為です。しかし、故障というトラブルを避けたい気持ちも大きく手伝い、我が身可愛さに情けなくもやってしまいました😱

それぐらいエアコンをきちんきちんと分解して洗浄することは安心安全の作業につながるのです。

それには時間も技術もコストも、何よりそれらに対する世の中の理解も必要となってきます。

思うところはたくさんあります。自分で考え、工夫していかねばならないこともたくさんあります。エアコンクリーニングも利用者/サービス提供者/清掃業界等々にとって利益不利益となる部分をきちんと啓蒙していかなかればならないステージに来ているのだと思います。少しずつでも発信したり、自分自身もアップデートをしていきたいと思います。

とりあえず! 損というか、今回あれこれ悩んだ部分は自身の経験の儲けと考え、まず何よりも目の前のエアコンを無事お掃除出来たので良し! とさせて頂きました😆

ということで本日のお掃除もこれにて完了です。

*

作業中も「う~ん…どうしよう…う~ん…」と悩みまくったりしておりますが、そんなこんななお掃除でも日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。お掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。

⇒エアコンクリーニングのページはこちら

※個人が特定出来ないことを考慮した上で、お話を紹介させて頂くことをお客様よりご了承頂いております。

ステンレスシンクの磨き方についてを考えた日。

⇒ステンレスシンク光沢磨きのページはこちら

⇒ハウスクリーニングのページはこちら

先日、懇意にして頂いているアパートのオーナー様から退去後清掃をご依頼頂いたのですが、その際「シンクをパッと見、ちょっと光るくらいにやってもらえる?」とのご要望を頂きました。

というわけでほんのちょっとではあるのですが、お引き受け価格の中で出来る範囲のシンク磨きをさせて頂きました。

とそれはそれで良かったのですが、その作業を行っていた際にひとつご指摘を頂いてしまったのが作業音の問題。

作業に使っていた機械の音が大きく、作業していた部屋の下にお住まいのオーナー様も気になってしまったとのこと。特に集合住宅の場合は共振や共鳴の影響もあって、余計に響いてしまうこともあったりします😥

仕上がりの安定性を考慮し、よく使用している研磨機械(オービタルサンダー)。作業で安心して使える反面、発生する音についてはちょっと安心出来ず😢

これ、かねてより自分も気になっていたんです…。集合住宅で作業する際はなおさらでした。音についてはセンシティブになられる方も少なくないため、作業音はなかなかに頭を抱える問題です。音の出づらい方法(手で磨く等)でも出来ないことはないのですが、作業時間などを考えると今の自分の技術ではそれもなかなか難しく(´Д`。)

いうことでシンク磨き時の作業音や工程の減少を考えたく廃材で検討してみることに。

──グラインダーとポリッシャーで研磨。

産廃屋さんから頂いたステンレスシンクの処分品。こういう時、本当に役立ちます😁

倉庫の隅に放置されていたシンク、ついに日の目を見る時が来ました。

全面を使って練習するのはもったいないので、とりあえず半分だけ。汚れは次のために残しておきます(笑)。

シンクにこびり付いている汚れ、水垢をざっくりと除去しまして、さて、磨き作業を試行錯誤していきます。

普段使っている機械(オービタルサンダー)を使わずにやりたいので、今回はグラインダーとハンドポリッシャーのふたつでチャレンジ。

なるべく少ない工程で見れるぐらいにはしたいなと思うものの、様子を見ながらやっていると、結局三歩進んで二歩下がるのような工程となってしまい、

「光沢降臨+青or白棒」 → 「ウォッシュコンパウンド」 → 「ダイヤスラリー」 → 「酸化セリウム二次研磨用」 → 「酸化セリウム仕上げ研磨用」 → 「ピカール+SUS」 → 「光沢降臨+青棒」

のような工程でこれくらいまでは光沢が回復。作業音もオービタルサンダーでやるよりかは多少大丈夫かなと思うのですが、まだまだ何とも言えません🤔

そして開始一時間、

はい、未熟な腕のせいで道具を壊してしまいまして & 予備も使い果たしてしまったため、今回はここまでとなりました。修業が足りません。

ということでまだまだ試行錯誤は続きます(^^;

*

「もっと静かに、もっと短時間に」。磨き作業の奥深さに思い知らされながらも、それでもお掃除の力で日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。お掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。

⇒ステンレスシンク光沢磨きのページはこちら

⇒ハウスクリーニングのページはこちら

エアコン破損の悪夢を思い出した日。

⇒エアコンクリーニングのページはこちら

昨年エアコンクリーニングをご依頼頂いたお客様からヘルプのお電話。

と思い、とにかく空いていた時間に急行。

ちなみに「もう壊れた!?」と表現したのにはちょっとしたワケがあります。

実は同お客様宅にて昨年クリーニングをさせて頂いたエアコンは29年前に製造されたエアコンでして、それが作業後の試運転で故障😱 そのため現在お使いのエアコンはその際新品へと入れ替えたものだったからです。

──製造10年超えのエアコンは何があるか分かりません(T-T)

ちなみに昨年のその時の様子を少しお話ししますと…

まず、クリーニングをしようとしていたエアコンは1994年製。製造から29年経っていた製品ですのでメーカーさんの修理やメンテナンスも当然受けることが出来ません。そのため「大変申し訳ないのですが、もし破損等あっても対応することができません」という旨を最初にお伝えするとともに買い替えのご検討なども示唆させて頂いたのですが、「まだ使えるのならやっぱり使いたい」というお客様からのご要望もあり、先の修理対応不可の旨をご了承頂き、作業を開始しました。

故障をしてしまったエアコン。
1994年製の三菱霧ヶ峰です。

洗浄作業自体は無事終了しまして、試運転へと移行した時でした。コンセントを差した際に“キュインキュイン”と基板あたりから聞いたことのない音が…。

胸騒ぎがし、そして嫌な予感は的中しました。

恐る恐るスイッチを入れたところ、運転開始後しばらくは送風運転がされるのですが、やがて基板エラーサインが点灯し、運転が中止されてしまいます。基板等の電装部品は全て外していたため、洗浄時の洗浄水浸水による不具合はありえません。おそらくコンセント抜き差し時の突入電流による基板損傷などの類。

まずヒューズを確認してみましたが切れた様子はありません。すると基板の他のどこか。

作業は細心の注意を払ってはいるのですが、触った際の振動でも基板内のはんだ付けされている部分の裂傷やコネクタの損傷が引き起こされてしまうことは無きにしも非ずです。自分の手には負えないと判断し、とりあえずダメ元でメーカーさんに修理の可否を確認。しかし、「29年前のものはさすがに…」と。やはりそうですよね😓

不具合が出た後にもう一度外装カバー等を外し、コネクタを差し直すなどの確認作業をしてみても正常動作には戻りませんでした😰

無慈悲にエラーランプが点滅するだけです。。

ということで、綺麗にお掃除をしたのですが大変残念な結果となってしまい…。現状設置されていた製品と同等程度の新品をお客様にも費用ご負担頂くことで入れ替え設置を行った次第でした。

一週間ほどお待ち頂き、新品へと入れ替え。真夏時などの工事業者繁忙期はさらにお待ち頂かなければならないことも…。古いエアコンのお掃除はそれなりのリスクもあるため、タイミングは必ずご一考ください。

この時は29年前の製品でしたが、標準使用期間(10年)以上を経過していればこうしたことが稀にあります。エアコンクリーニングを希望されるお客様にはぜひ知っておいて頂きたい出来事です。

さてさて、話を今に戻します。

お客様宅に到着しまして、お客様とも一年ぶりの再会。ご年配の女性の方で先の電話時にも「この間、入院しちゃってねぇ」とお話しされていたので少し心配もしていたのですが、明るい表情でお出迎えくださり一安心。

早速、「ピッ♪」とリモコンでエアコンのスイッチを入れますと

冷房、除湿、暖房、風量、上下風向きなど、色々と確認してみますがどこにも異常はありません。

とお客様。リモコンのボタンをしげしげと見ながら、

その様子を見ていて何となく気が付きました。

予想通り、リモコンのボタンが押されても、エアコン本体は反応しません。

お客様がリモコン操作をされていた時、ボタン操作に夢中になるあまり、リモコン(赤外線の発信部)がエアコン本体とは全く違う方向を向いてしまっていたためにエアコンが反応しなかったのです。

原因も分かり、ホッと胸を撫で下した瞬間でした。

ということで本日のお掃除(?)もこれにて完了です。ありがとうございました!

それにしてもトラブルが引き寄せた再会とは言え、お客様もお元気そうで何よりでした。お会い出来て良かった。

*

時には思い出したくない/繰り返したくないトラブルもありますが、負けずに頑張るお掃除で日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。お掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。

⇒エアコンクリーニングのページはこちら

※個人が特定出来ないことを考慮した上で、お話を紹介させて頂くことをお客様よりご了承頂いております。

きのこ園さんのエアコンを綺麗にした日。

⇒エアコンクリーニングのページはこちら

いつも配線工事や空調機器の設置等でお世話になっている電気屋さんより入電。

*

今回ご縁を頂いたのは同じ長野市内にあるきのこ農家の『(有)宮崎きのこ園』様。

長野市青木島町大塚にある『(有)宮崎きのこ園』さん。昭和の終わりからきのこを作り続けて30年超。シャキシャキぷりぷりでしっかり味のぶなしめじが自慢の老舗きのこ農家さんです。

長野市近郊では『デリシア』『綿半』『Aコープ』など各スーパーマーケットの地場産食材コーナーにてお買い求め頂けます。国内産おがくずと長野県指定の栄養剤を使用しており、安心安全のとっても美味しいぶなしめじです!

──きのこ園さんならではのエアコン風景に出会った。

ということでご訪問。今回はスタッフさん達の休憩室と出荷包装作業スペースに設置された壁掛け通常エアコンの2台。まずは休憩スペースのエアコンから。

機体はコロナさんの壁掛け通常エアコンです。
2021年製なのでパッと見はとても綺麗です。

汚れ状況を確認すれば、送風ファンにはやはりもこもこと埃&カビ汚れが。そして、さらによくよく内部を見てみると、

初めて見る光景が目に飛び込んできました。

以前、パン屋さんのエアコンクリーニングをさせて頂いた際はエアコンからバターやコンフィチュール等の香ばしい良い匂いがしてくるパン屋さんならでは汚れ方をしたエアコンと出会ったのですが(詳しくはこちら)、きのこ園さんのエアコンもそれと同様に実に特色ある汚れ状況が作り出されていました。

私も初見の光景にオーナーさんに思わず「すみません、これってきのこの赤ちゃんですか?」とお聞きしてしまいました。

とエアコン内のきのこでさえも愛でるようにお答えくださるオーナーさん(笑)。きのこと真摯に向き合うそのお人柄が感じられた瞬間でもありました😄

エアコンはきのこの生育場にあるものではないため、菌を直接吸い込む環境にあったわけではないのですが、それでも菌はエアコン内部にまでしっかり到達しています。エアコンがいかに広範の空気と空気中の塵あくたを力強く吸い込んでいるのかがよく分かりますね。

そしてまた、カビもきのこも実は同じ真菌の仲間。水分や温度が足らずに大きく成長していないとはいえ、きのこが生えているということはそれ以上の環境適応能力を見せるカビにとってエアコン内がいかに居心地の良い空間であるものかということを如実に物語っています。

作業内容は『スタンダードプラン』にて。同プランでは冷房使用時に発生する結露水を受け止めるお皿(=ドレンパン)までを外し、壁に残る部品/残らない部品それぞれを出来るだけ洗い易くした上でお掃除していきます。

左画像がドレンパンですが、ここにもきのこの赤ちゃんは満遍なくいらっしゃいました😆 菌の生命力はすごいですね。

さて、各部をしっかり洗浄しまして、気持ちよくお使い頂ける状態へと回復していきます。

ファンを取り外さない場合はしっかり押さえながら、ファンを回さないよう洗浄していきます。高圧洗浄でファンをグルグル回しながら洗ってしまうとファンから剥がれた汚れが飛び散って、熱交換器の裏側にこびりついてしまいます。

*

無事1台目が終了。2台目も同じようにお掃除です。

ちなみに作業時、部品を洗うために水道をひとつお借りしていたのですが、途中、そこへ接続していた洗浄用ホース(散水用ホースヘッド付き)がいつの間にやら水圧で外れてしまっており、何分間かお水を出しっぱなしにしてしまうという何とも情けないミスをしてしまいました。しかもオーナーさんからご指摘を頂くという😭 本当に大変失礼いたしました😭 蛇口は使用の度に毎回毎回必ず閉じましょう!(備忘録まで)

ということで本日のお掃除もこれにて完了です。きのこ園さんの空気の安心安全にお力添えすることができました。ありがとうございました!

*

「菌の力を侮らず、菌が繁殖してしまうエアコンは定期的にクリーニングしましょう!」のお掃除で日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。お掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。

⇒エアコンクリーニングのページはこちら

※お話を紹介させて頂くことをお客様よりご了承頂いておりますが、当記事内容についてのご質問等は弊店までお願い致します。