あらゆる箇所に何かが詰まっている浴室をクリーニングした日。

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本日は浴室清掃のお話。ご近所さんから弊店のことを伺ったとのことでお声がけを頂きました。数年前に他社さんにお掃除してもらったとのことだったのですが、最近になって急にカビ汚れが酷くなってきた気がするということでご相談頂き、お伺い。

それにしても、ご紹介は毎度のことながら緊張します💦 しかも今回はお風呂掃除。浴室は複合汚れ(水垢、皮脂、カビ等)の代表格です。なかなか手強い場合もありますので、無事務めを果たせますかどうか。

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緊張しながらお伺いしまして、いざお掃除開始です。拝見すると早速入り口扉でカビがお出迎え😅

この様相は浴室内が常に湿気充満状態でなければなかなかお目にかからないのですが、

とご依頼主様。となれば、まず最初に考えられることは換気扇の〇〇〇が…ということで確認。

換気扇の外装カバーにはカビと埃のもこもこ汚れが堆積。
フィルター洗浄中。汚れがどばっと取れるのは見ていて気持ちが良かったりもします(笑)。

はい💦フィルターがしっかり目詰まりしておりました😓これではまったく空気を吸って(=換気して)くれません。浴室換気扇のフィルターは水分と埃、石鹸成分類の煙霧でべとつき、詰まりしやすいのでぜひ定期的なメンテナンスを心掛けてください。

詳しく伺うと「換気扇は一度も掃除したことなかった気がする…」とのことでしたので、内部も分解して確認&清掃することとなりました。

お使いの換気扇はTOTOさんの浴室換気暖房乾燥機『三乾王』です。『三乾王』はお掃除しやすいと言えばしやすいのですが、天井裏からアクセスしないと換気ファンが取り外せませんのでちょっとひと手間必要です。

浴室内にある点検口から天井裏へと行き、分解していきます。
天井裏で内部の換気ファンを取り外します。

室内側からお掃除できる部分は室内側で処理。取り外した換気ファンも洗浄しまして換気扇のお掃除は完了です。無事換気機能を取り戻しました!

──排水口に詰まり、床に詰まり、色々な所に何かが詰まるのが浴室です(苦笑)。

換気扇がすっきり綺麗になったところで、さて浴室内…といきたいところなのですが、換気扇の部品を洗っていて気が付いたのです。

これは…と思い、扉を外し、レールを外してみると

排水口が詰まり、排水が浴室外側にも溢れてしまっていました。
レール全てを取り外し全容を確認すると、埃、皮脂、水垢汚れで汚泥化した複合汚れがお目見え💦

排水口を開通させなければ作業が先へと進みません。酸性洗剤やカビ取り洗剤を駆使しながら排水フィルターの汚れを取り、溝に堆積している汚泥を除去。排水口回りも水垢の付着で排水状況が著しく悪くなってしまっていたため、水垢除去剤を流し込んで水垢を溶解。通水をして排水状況が改善したことを確認し、外したレールも洗浄し元に戻しまして、これでようやく他作業へと移ることが出来ました。

とここまでの作業ですでに開始から二時間あまり。なかなか先が見えない状況にちょっと心が折れそうになったことは内緒です(苦笑)。

とはいえ、ここまでくればあとは各箇所の汚れ状況を確認しながら一つひとつクリアしていく形となります。皮脂汚れを取り、水垢を取り、カビを取る。コツコツ作業となりますが、段々と綺麗になっていく様はやはり達成感もありますので泣きべそをかきながら作業しつつも、経過を確認するたびに嬉しくもなり、なんてことを繰り返しながら仕上げまでスパートです。

床には皮脂と石鹸カス、水垢の黒ずみ汚れが詰まっていました。
酸性洗剤、アルカリ洗剤を使い、汚れを落としていきます。
扉のアクリル板凸凹部分に詰まっているもやもやのカビ汚れ。
石鹸カス、水垢などを落とした後にカビ取り剤を使って仕上げです。
扉上のシーリング部分の黒カビ。
取り切れない黒カビの色素はどうしてもありますがスッキリしました。
窓サッシも黒カビで真っ黒でした。
終わる頃には外はすっかり夕闇💦でも綺麗になりました!
水栓部分は日頃のお手入れもされていたので綺麗めでした。
多少の水垢やカビ、くすみを取りまして仕上げです。

ということで本日のお掃除もこれにて完了です。ありがとうございました!

何だかんだで浴室に籠ること5時間あまり。なかなかに苦戦しましたが、無事役目を果たせて一安心でした。

M様、この度はお声がけくださり、ありがとうございました。

とお喜び頂き、私も頑張った甲斐がありました😄 まもなく年越しと新たな年の幕開けとなります。ご家族皆様方、お体にはくれぐれもご自愛頂き、健やかなる日々をお過ごし頂けること心よりお祈りいたしております。

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泣きべそかきながらも何とか頑張るお掃除で日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。【福寄せ清掃】のお掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。

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※個人が特定出来ないことを考慮した上で、お話を紹介させて頂くことをお客様よりご了承頂いております。

掃除屋に成るまでの履歴書

物心がついた時、憧れていた仕事は広告制作業でした。街頭に大きく貼り出されている商品ポスターやテレビコマーシャル等のコピーライティング、ビジュアルデザインを手掛けたりする『広告クリエイティブ』と呼ばれるあのお仕事です。

そして20代になり、念願叶って足を踏み入れた広告業界。見事、広告代理店でのクリエイティブ業務に従事することとなり、意気揚々と仕事に取り組み始めるも待っていたのは地獄の日々でした。

仕事は想像していた通りのやりがいもあるし面白味もある。言葉ひとつ画ひとつで人の心と行動を惹きつけ動かすことが出来る広告の奥深さに改めて心酔もしました。

では何が地獄だったかと言えば、「自分がなんと仕事の出来ない人間なのか」を毎日毎日突き付けられ続けたこと。

その頃の自分が担当していたのは企業人格の発信に関わる広告クリエイティブ。企業が社会や社外に向けて発信する領域部分(広報活動や採用活動に関する広告など)のお手伝いをする広告制作が主たる業務でした。

広告提案前には広告主からその目的や実現したい効果についての説明(オリエンテーション)があり、それを踏まえた上でのソリューション提案を行っていくのですが

と自分はもう散々です。もちろんコンペでも勝てない勝てない。勝てなければ仕事もありませんので完全なお荷物です。

広告関連、自己啓発関連といったビジネス書を読み漁り、セミナー等にも学びを求め、トライアル&エラーも繰り返し、人並みに一通りの努力はしたと思います。でも、ダメでした。なかなか結果が出せません。自分は優れた人間ではないかもしれないけれど決して劣ってもいない、と思って踏ん張り堪えることで精一杯の日々でした。

売上成績等のことで言えば、もちろんずっとゼロだったわけではありませんので戦力外通告にはならずにいましたが、いつまでたっても胸を張れるような晴れ晴れとした仕事が出来ません。苦しい、不満足、不愉快な心持ちが常に胸中にあるんです。今ならその理由が何となく分かる気もするのですが、当時の自分には分かりません。

そして、やがて出した答は

逃げではないですが、人には向き不向きがある。嫌な感情を抱えたままで生涯この仕事を続けていくのかと考えた時、続けていこう・いきたいという選択肢やエネルギーはありませんでした。というか、捨てました。広告業に携わって11年。出した答がこれとは笑っちゃいますよね。自らそう腑に落とした時も笑ってしまいましたもの。もうそれでいいや、と(苦笑)。

仕事が出来なくて進まなくて苦しかった時のことは未だに夢で見ます。それこそ本当に頻繁に鮮明に。同僚先輩上司の声、フロアの映像、すべてがクリアに蘇ってきます。出来なくて焦って、息苦しくなって、視界が狭まっていくあの独特の苦しい感じ。性格や環境、時代、物事のタイミング、様々な要素があるのだと思いますが、本当に自分には向いていなかったのだろうなぁと思います。

*

さて、11年かけてようやく離れることを決意した広告業界。次のあてなどありません。しかも当時は結婚をして、子育てデビュー間もない時期(長女/当時1歳)でもありました。すぐにでも生活を組み立て直さなければなりません。背に腹はかえられず、職歴を見てもらえればすぐ仕事に就けるだろうと広告制作の求人に応募をしました。

ここまでお読み頂いた方なら当然そう思いますよね(苦笑)。

計算通りすぐの再就職は勝ち取りましたが、仕事を始めるや否や「企画できない」「文章書けない」「デザイン出来ない」「息苦しい」等の不安不快な感覚が再び頭をもたげてきます。

結果、ひと月で退職となりました。改めて「自分はバカだ…どうしようもない…」と思い知らされた一件でもありました。

そうした中でも「人生の夏休みだと思えばいいよ。ちょっと休んで、ゆっくり考えればいいよ」と声をかけてくれた妻には本当に救われ、助けられました。家族に甘えさせてもらい、私はここでようやく人生初とも言える自分の人生の棚卸をしたのです。

それまでの職歴、得た知識、身につけた技術はさておき、自分が興味を持っていたり強く記憶に残っていること、誰かにしてあげたかったり、嬉しくなったりするようなこととは一体何なのか。仕事としても向き合えそうなものは一体どこにあるのだろう、と。

紙に書き出してみたり、何かをしていて思いついた時には付箋やメモ帳にすぐ残したり。同時に一つ一つを吟味精査。やがて残ったこと。それが『トイレ掃除』でした。

広告代理店時代、イエローハットの創業者である鍵山 秀三郎氏が続けている清掃活動運動(※鍵山氏の清掃活動についてはこうした記事もどうぞ)の一端に触れる機会があったのですが、触発され、以来自分でもトイレ掃除を習慣的に行うようになりました。

そしていつしか掃除をした後の爽快感やトイレ空間の匂い(これは洗剤の匂いでもあったのですが)が大好きになり、癖になり(笑)。

人生の棚卸をした時、今の自分の身近にあって、嬉しくなり、楽しくも思え、病める時にも続いていたことは『トイレ掃除』だったのです。

それに気がついた時はまさに雷に打たれたような衝撃でした。とまでは言えませんでしたが、

と思ったことだけは確かで、すぐに長野市内にある清掃会社さんを調べ、各社にメールしたことだけは今でもはっきり覚えています。

簡単に言えば、そんな内容のメールでしたが、もらった方は驚いたことと思います。安直でおバカ丸出しだったようにも思うのですが、何の技術経験も持たない自分にはそうした気持ちを綴ることくらいしか出来ませんでした。

そんな中、ご縁を頂いたのが独立前まで勤めていた『ダスキン ビホーム(ビホームテクノクリエート)』でした。ここで私の第二の仕事人生が始まります。雇い入れてくださった社長(現会長)には感謝の気持ちしかありません。

社長は私の父と同世代の方でもあるため、現在では70代を迎えて第一線を退いたということもあり、現場作業を一緒に行うことは少なくなってしまいました。それでもまだまだ教えて頂きたいことも沢山あるため、会った際には「ずっと元気で、いつまでも現場に出てくる社長でいてください」としつこく話しかけています(笑)。

そんなダスキン ビホームにて数多の清掃作業を経験させて頂くこと7年。勤め人のままではなかなか取りづらいアクションなどもあったため、わがままを言って独立させて頂き、現在に至っているという次第です。

*

最後に。

広告業に携わっていた時、私はおそらく『人』、というか『自分の仕事の向こう側にいる人の感情』をとても疎かにしていたように思います。

「自分の創作物はこれだけインパクトあるんだぞ」「ウィットに富んで面白味があるんだぞ」と、承認欲求の産物そのものと言えるものしか作っていなかった。それに対する高い評判評価が欲しかった。それが思い通りに叶わないから、ずっと嫌で面白くない気持ちを自分自身発し、抱えていたのだと思います。

誉ればかりに目を奪われた独りよがりの思考と行動に結果(お客様からの信頼や期待、感謝)が伴ってこないことは至極当然の成り行きです。

大切なのは、人が欲しいものを作り出すこと。

人が欲しいものと自分の作りたいものを限りなくイコールに近づけていける仕事をすることこそが、自他ともに楽しく、嬉しく、丸く収まっていける結果を生む。それが何より自分が目指していきたい仕事の姿なんじゃないのかなと今では考えたりもしています。

人が欲しいものをしっかり想像/創造していくことが出来れば、それはやがて自分が欲しかったもの(評価や信頼、期待)にも成り替わってくれます。

自分は広告業ではそれが上手に出来なかった。

清掃業でそれが叶えられているかはまだまだ分かりませんが、少なくともあの頃の自分が考え及ばなかったことにも気持ちを寄せて取り組むことが出来ているという点では今のところ道は誤ってはいなかったのかなと思います。

掃除によって「嬉しいことを実現できた」「喜ばしいことが起きた」「暮らしや仕事の風向きが良い方へと変化した」、自分を含めそんな人が一日一日、一人二人と増えていけば良いなと思い、今日も今日とて、今のあるを尽くしたお掃除でお目にかかりにまいります。

【福寄せ清掃】のお掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。

清掃業を通じて出会った人、頂いた物、ありがたい大切なコト・モノが数えきれないほどあります。まだまだ未熟なお掃除職人ではございますが、お目にかかる皆様、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。<2024年11月近影>