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本日は懇意にして頂いている元請様からのご依頼で長野市内のお宅へとレンジフード清掃のお伺い。
伺ってみると20年物のレンジフード。これまでは昨年他界されたご主人がずっと手入れをされてきたそう。
かつて踏み台に昇ってお掃除をされていたというご主人。踏み外して骨折してしまったこともあるとのこと。
奥様もそれを見ていたのでレンジフードのお掃除はさすがにやめようと思い、今回のご依頼に至りました。
──レンジフードに残ったご主人の日々の姿。
さて、作業。レンジフード表面(塗装面)や各部品は油や熱によってだんだんと侵されていってしまうため、使用期間が長ければ長いほど、あるいは汚れを放っておけばおくほど劣化が酷く進んでしまっている場合も少なくありません。物である以上、経年劣化は避けられません(;^_^A そのため、油汚れを取れば塗装も一緒に取れてしまうということは日常茶飯事です。
お客様にもその旨をお伝えして作業を始めますが、それでも美観を大きく損なう(=塗装が大きく剥げてしまったり、酷い傷が入ってしまう)ことは可能な限り避けたいもの。
そこで私たちハウスクリーナーはまず最初は出来る限り傷をつけない、塗装を剥がさない、基材を損傷させない、そんな方法から作業を進めていきます。
汚れの頑固さや除去難度の様子を見ながら、洗剤や資器材もだんだんと適するものに変えていく。そんなイメージでしょうか。
とはいえ使用20年超。実に恐る恐る、ビクビクしながら手を動かし始めます💦
しかしご主人が定期的にお手入れされていたということもあり、どうやら油が塗装膜を酷く痛めている様子はなさそうです。
「これなら表面に傷をつけない柔らかめのスポンジと洗剤の作用が強力になりすぎない温度の洗浄液(35~40℃前後)で綺麗に出来るかな」と判断し、各部品の油汚れを落としていきます。
使った資器材は
■白パッド
■マイクロクリーナー ストロング(金属への攻撃性が少ない洗剤)
■スマート 油洗浄剤
ぬるま湯で作った洗浄液でファンを浸漬洗浄しつつ、その他の部品もお掃除していきます。
ファン内部のお手入れはされたことがなかったようで油が黒く頑固に変質・変色してこびりついてしまっています。こうなってしまうとこのままでは洗剤もなかなか効いてはくれませんのでまずは物理的にこそぎ取っていき、それから洗浄です。
そして各部品の洗浄を進め、整流板の油汚れを落としたところ、表面には擦り傷がたくさん。
…これは!!😮
と思い、奥様にお声がけ。
「これ、ご主人のお掃除の記録ですよ😄」
「やだぁ、傷だらけね~🤭」
ご主人の面影をレンジフードに見つけ、ちょっと嬉しそうな奥様。
そんな会話も挟みながら3時間ほどお邪魔をさせて頂きました。
*
改めて思いましたが、
掃除って『消したり』『取り除いたり』『整えたり』することに目標や目線を合わせていくことがほとんどですが、少し角度を変えて考えてみると『その物に触れていた人の佇まいを蘇らせたりすることが出来る』、そんな作業なんですよね。
私が可能な限り新しい傷をつけずにお掃除することが出来た場合、汚れを落とした後の姿にはそれに触れていた人のかつての面影が浮かび上がってくるというか。
その物が傷少ない状態であれば「あぁ、丁寧に使われていたんだなぁ」とか、たとえ傷だらけでも「頑張ってお掃除されてたんだなぁ」とか、その様子がありありと目に浮かんできます。
今日はそんな掃除の形に携わることが出来て、ちょっと嬉しかった次第でした。
一切の傷をつけずのお掃除はとても難しいものですが、より一層の精進をして、出来る限り実現していけるようにもならなくちゃなぁとも思わされました💪
今、大切な人と離れていらっしゃる方。その人がよく触れていたものをお掃除してみてください。思わぬ形でその面影に出会えるかもしれませんよ😄
ということで本日のお掃除もこれにて完了です!
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お掃除で日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。福寄せ清掃の『お掃除のむらかみ』 <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。
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※個人が特定出来ないことを考慮した上で、お話をご紹介させて頂いております。