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今回は少し特殊な環境下にあったエアコンクリーニングのお話。
先日、弊店が業務協力などをご相談している長野県の遺品整理/特殊清掃のリーディングカンパニー『株式会社GOEN』の小口代表より
「火災(ボヤ)後の原状回復現場でのエアコンクリーニングをお手伝い頂けませんでしょうか」
とのお声がけを頂き、業務応援へと伺わせて頂きました。
──消臭のポイントは『とにかくまずは原因を取り除くこと』
現場は商業施設様で、ご依頼の目的は罹災空間全体(床面積で約150㎡。空間体積としては375㎥以上)の煤汚れの除去と火災臭の消臭です。
私が伺った際にはGOENさんが施工対象半分ほどの空間の天井、壁、床をすでに回復されていたのですが、それでも漂っていた火災臭はなかなかのもの。排気ガスに似た臭い、プラスチックが溶け焦げたような臭い、油の臭いなど、様々な不快臭が混ざり合った独特の臭いが充満していました。
消臭においては何をおいてもまずその空間に残っている原因物質を取り除かなければならないのですが、今回の場合はもちろん煤汚れです。
さて、対象のエアコンは天井に埋め込まれた天埋型エアコン。


早速エアコンのカバーを外し、煤汚れの除去作業に取り掛かりはじめますが、この煤汚れというものが実に厄介でして…。煤は水拭きでは落ちないんです😅
汚れの中に含まれている炭素(黒色の見た目の主な原因)、油脂分、プラスチック等から発生する化学物質が非常にべたついた汚れとなり、普通に水拭きをしてしまうと汚れがただただ伸び、広がってしまうだけで決して取ることが出来ません。
ですので、作業としては『煤を付着している対象物から剥離し、別の所(ウエス等)へ移す』。そんなイメージで、汚れが広がらないよう気を付けながら取り除いていきます。


同様にエアコン内部も分解し、可能な限りの煤を除去。空気の通り道となる送風ファンや熱交換器も洗浄清掃していきます。このあたりは通常のエアコンクリーニングと変わりませんね。


そうして臭いの元を除去した上で各部に火災臭用の消臭剤を噴霧。元通りに組み立てていきます。
最後はエアコンを運転させながらオゾン脱臭装置を稼働させ、仕上げ消臭です。この作業はしっかりとしたエビデンスと知見技術を持つGOENさんが対応。
全ての作業を含めると計5-6日程の作業となりました(私はその内2.5日ほどの協力)。お客様へお引き渡しとなる最後の日は私も参加していたのですが、最初に感じた火災臭はもはや無く、
「さすが経験豊富な消臭のプロ!😮」
と驚嘆してしまいました。
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火災後の処理は本当に大変です。焼け焦げたりした建物素材は掃除ではもちろん完全には元に戻りません。臭いだけでなく見た目も完璧に戻すと言うのであれば、全てを新品に取り替えるほかありません。ですが、時間的にも空間的にも、あるいは人員的にもそれが難しい場合は往々にしてあります。




そうした中、見た目については取り急ぎ折り合いを付ける形になるのだとしても、あの強烈な火災臭が罹災後まもなくで無くなってくれるというのは本当に救いだと思います。見た目の部分は後になってから対応することも出来ますから。
ですが、火災の臭いについては決して我慢や辛抱は出来ず、慣れることもありません。臭いを消さない限り、その場所で人間は活動することが出来ないんです。火災臭は人間の本能に訴えかける命の危険を知らせる臭いだからです。
罹災して、はじめは途方に暮れていただろう施設の方々の顔が「また明日から頑張るぞ!」という表情になったお引き渡しの日は私も本当に嬉しく、逆にたくさんの元気も頂きました。携わることが出来て、少しでも役に立つことが出来て、本当によかったです。
大事な仕事の一端を私に預けてくださった小口代表、この場でも改めて御礼申し上げます。GOENの皆さんの間違いのない仕事ぶりにも大変な刺激を頂きました😄
ということで本日のお掃除もこれにて完了です。ありがとうございました!
ちなみに今回エアコンクリーニングで使った主な洗剤・資器材は
■允・セサミ 『エアコン職人』
■HiKOKI 18Vコードレス高圧洗浄機AW18DBL
■カルモア 『マイクロゲル』
■丸京薬品店 『トライアル』
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火災現場の回復清掃もしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。福寄せ清掃の『お掃除のむらかみ』 <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。
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