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本日は「シャワールームの鏡に付いてしまった水垢を除去して頂ければ」ということで長野市内のお客様宅へとお伺い。
作業開始前、準備の様子をご覧になられていたお客様(男性ご主人)とのちょっとした会話。
「綺麗になりますか?😅」
「新品の状態に、というわけにはいきませんが、鏡としての機能は取り戻せると思いますよ※」
※表面に防汚フィルムやコーティングが施されている鏡に付着した水垢の場合はこの限りではありません。
「プロが使う洗剤は強いからやっぱり落とせるんですねぇ」
そんなお声をよく頂くのですが、『プロが使っている洗剤は強力』というのは割と妄信で、実はプロの人ほど強い洗剤を使っていなかったりもします。理由は至ってシンプル。
強い洗剤(薬品)は体に悪いから(;^_^A
掃除を仕事にしている私たちにとって洗剤の使用は毎日のこと。そのため、劇物が使われている強力な洗剤だったり、酸性度/アルカリ度が高い洗剤に毎日毎日触れるというのはそれだけで『病気』や『ケガ』、誤解を恐れず言うならば『死』に繋がるリスクが著しく増大してしまいます。
もちろんスポット的にちょっと強い洗剤を使って、というのはよくあることですが、ベースとなる作業の中では体や環境へのリスクを考慮して出来る限り安心安全な洗剤/薬剤を使用するよう心掛けています。
目を見張るほど強い洗剤ではなくとも、その効力を最大化させるために出来ること、手筈の整え方、時間のかけ方、それらを考えながら綺麗をつくっていくというイメージでしょうか。
とそんなお返事をしたところ、
「え!? そうなんですか!?😯」
「はい。なので、普通に買える洗剤とかでもこうした鏡の水垢は落とせたりするんですよ」
「え!? ほんとですか!?😮」
ということでお客様にもご覧頂きながら実践。
──『ジフ』でだって鏡の水垢は落とせます。
さて、鏡を確認しますとなかなかしっかり水垢が付着しています。

まずは鏡(ガラス)に傷を付けない樹脂製のヘラやスクレーパーなどで表面を削って水垢を物理的に少なくするとともに洗剤等の効果が出やすい状態にしていきます。たとえばお料理でも煮物を作る際には皮を剥いたり、面取りで表面積を増やすなどして味が染み込みやすいようにしますよね。それと同様です。
表面を削った後はお風呂用洗剤を塗布して水垢の硬さを緩め、より落としやすい状態に。準備が整ったところで本格的な除去作業へと移っていきますが、今回はお客様の参考にもなればということで小売店の洗剤売り場やご家庭でもよく見かける『ジフ』で綺麗にしていきました。

傷が付きづらいパッドにジフを塗布して、ハンドポリッシャーにてポリッシング。縦、横、縦、横とまんべんなく磨いていきます。


スッキリ綺麗になりました😄
角度を変えたりして、よ~くよ~~く見てみれば、まだ取り切れていない水垢はありますが、ジフでの磨きだけでも“姿を映す”という鏡の機能はしっかり回復出来ています。
ご存じの方も多いかもしれませんが、『ジフ』は研磨剤の入ったクリームクレンザー。ジフに使用されている研磨剤は鏡の素材(ガラス)より柔らかいながらも水垢よりは硬いため(もしくは同等程度)、ジフを使えば鏡表面を傷つけることなく水垢を除去することが出来るというわけです(厳密に言えば、ジフで落とせない水垢成分もあります)。
鉱物等の物質の硬さを表す指標に『モース硬度』というものがあるのですが、洗剤やスポンジ等に含まれている成分によってその硬さは違い、汚れ等を落とす能力も異なってきます。配合されている成分を確認しながら、その効果をイメージしながら、「あれはこれより強い。これはあれより弱い。だから、〇〇の汚れならたぶん落ちる。傷も入らないはず」と、私たち掃除屋はお掃除をしてたりするわけです😄
そのため、ちょっと難易度の高い汚れに出会って夢中になったりすると、ああでもないこうでもないと何かブツブツ言いながら作業してたりする時があるのですが、それはそれであれこれ頑張っているんですよということで奇異の目で見ず、温かい目で見守って頂けますと大変ありがたい次第です(笑)。
ちなみに色々な素材や洗剤のモース硬度をざっくりまとめるとこんな感じでしょうか。数値が低い方が柔らかく、高い方がより硬いものになります。

今回使った主な洗剤・資器材は
■ジフ(取り切れないところはGSR)
■マキタ充電式サンダポリッシャ PV300D
■SMS JAPAN アクアパッド
■ナルビー プラ三枚刃HARD
■スマートアシッド(硝酸系洗剤)
ですが、磨く用の機械がない方はたとえばこんな方法も↓↓

市販されている酸性粉末クレンザー『水垢職人(允・セサミ)』をペースト状にし、研磨剤の入っていないパッドやスポンジに付けて擦ってみてください。
研磨剤が水垢にあたって、はじめはザラザラ、ジョリジョリの触感なのですが、擦り続けているとだんだんツルツル、スベスベになっていき、「お!? 綺麗になってるかも!」という気持ちの良い感じを味わいながら楽しく水垢落としが行えます😁
あまり強く擦ると鏡に傷が付いてしまう恐れもあるため、使用上の注意をよく読んでからお使いください。
『水垢職人』はAmazon等のネットショップや、長野市近郊であれば『ホームセンタームサシ』などでも手に入ります。
ということで本日のお掃除もこれにて完了です。ありがとうございました!
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洗剤の性能を活かしたお掃除で日々の暮らしの快適をしっかりサポート。今の自分のあるを尽くして。福寄せ清掃の『お掃除のむらかみ』 <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。
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