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「家のウッドデッキで食事をしていたら、デッキに大きいハチがたくさん来て…」とのご相談を頂き、ひとっ飛び。長野市の山間のお宅に伺ってみれば、ウッドデッキ上の火打ち梁(梁の補強部分)と呼ばれる箇所にハチの巣が。でも、少し様子がおかしい。
飛び回るハチの数に対し、巣がとても小さく、形も中途半端。防護服を着ていないうちはあまり近くへも近づけないため、少し離れたところから観察をしていると…なるほどなぁ、と。
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火打ち梁にある巣にもハチは群がっているのですが、それ以上にぶんぶん飛び回るハチが入れ替わり立ち替わり出入りする箇所がすぐ隣に。つまり、見えている巣は現在建築中の巣で、そもそもの巣(母巣)はそのすぐ横の火打ち梁と軒天の隙間から入った天井裏にある模様。ハチさんはお引越しの最中だったわけですね。
今回のハチ種は「キイロスズメバチ」。屋根裏や戸袋、雨樋などの閉鎖空間に初めは営巣し、そこがいよいよ手狭になると軒下などの開放空間に引っ越しをする習性を持つ種。引っ越し時には相当数の働きバチがいるため、引っ越し後の巣はあれよあれよという間に出来上がっていきます。
実際この日もご依頼主が朝見た時、梁には巣の形などなかったそうですが、駆除時(15時頃)にははっきりと確認出来ています。外に巣を作り始めたところ、近くで人が活動(食事)し始めたため警戒し、威嚇のためにぶんぶん飛び回っていたのでしょう。何はともあれ刺されることなどの被害がなくて良かったです。
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さて、必死に生きるハチさん達には申し訳ないですが、駆除です。今回は「取り急ぎ、ハチの危険さえなくなれば」とのことでしたので軒天の天井裏にある巣はそのままに、見えている部分の巣の除去と成虫の駆除を行っていきます。
まずは第一巣である軒天天井裏の母巣出入り口を塞いだ後、周囲に群がり攻撃をしてくるハチや戻ってきたハチ、火打ち梁の上で巣を建築しているハチを駆除していきます。15分程ハチを掃除機で吸い込み、個体数の減少を確認したところで第一巣の中へスズメバチ駆除用の殺虫剤を噴霧。
まるまる一本を噴霧したところで中を注意深く確認していると、まだ中から出てくる個体がいたため、さらにもう一本を追加。出てくる個体がいなくなったことを確認し、あとは第一巣の出入り口、第二巣の周辺にも再度の営巣を防止するための殺虫剤を改めて噴霧。戻ってくるハチも可能な限り捕獲し、駆除終了です。
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駆除中、お子様たちが興味津々にお部屋の中からずっとギャラリーとして応援してくれていたのですが、窓ガラス越しにする会話も色々と楽しかったです。
(キッズ)「それ(防護服)着てれば、怖くないの~? 大丈夫なの~?」
(村上)「怖いよー。大丈夫じゃないよ~(苦笑)」
(キッズ)「それが巣~? ハチミツで出来てるの~?」
(村上)「このハチさんの巣は木の皮で出来てるんだよー」 など。
火打ち梁の上で作られていた巣です。 朝はほぼなかったとおっしゃっていたので、わずか半日足らずで手のひら大よりも大きな巣が作られたことになります。ハチの生命力、活動力はすごいです。
ちなみにお子様との会話にも出てきましたが、防護服を着ていても私は本当にハチが怖いです(苦笑)。防護服を着ていても隙間から入り込んでくるハチ(ミツバチや小型のスズメバチ)はいますし、大型のオオスズメバチともなると毒針が服、手袋を貫通してくる場合もあります。状況に合わない手順を選択してしまったり、駆除にかかる時間が長くなればなるほど蜂刺のリスクも高まります。作業中は私も自身の安全確保を含め集中しているがため、ハチの恐怖が薄れているだけなんだろうなといつも思います。
ハチの駆除は勇気では行えません。私もまだまだ勉強不足ではありますが、ハチの駆除は正しく恐れてこそ必要となる行動を組み立てていくことが出来る作業です。「強力な殺虫剤を吹きかければイチコロでしょ」と安易な巣の駆除などは本当に避けてください。
特に大きくなったスズメバチの巣は巣内に薬液を行き渡らせない限り駆除は行えません。巣の外側から噴霧するだけでは殺虫剤によって興奮したハチ、あるいは殺虫剤の薬液によって巣が損壊した場合にはその部分からもハチが飛び出し、一斉に攻撃を仕掛けてくることがあります。大群に襲われてはひとたまりもありません。
子どもの頃、ハチに刺され大変な思いをしたことがあるため、少しでもそんな思いをする人が減ってくれればと思い、このお仕事をしています。ハチが怖いためにハチ駆除に携わっている者からのお願いです。大きくなってしまった巣を見つけた場合には「不用意に近づかない」「刺激をしない」で身の安全を最優先とされてください。
“安心”をサポートして、日々の暮らしを快適に。今の自分のあるを尽くして。【福寄せ清掃】お掃除のむらかみ <むらかみ清掃技研>、村上隆浩でした。
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